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クラシックカメラ紹介: ミノルタSRT101 [MINOLTA SRT101]〔2:実際に使ってみよう。〕




ミノルタの傑作機にして、60年代を代表する一眼レフ機の一台でもあるミノルタSRT101。
前回はその概要についてご紹介しましたが、本項では実際の整備・使用時の注意点などについてご紹介していきます。

話は変わりますが・・・SRT101にはブラックボディ仕様も存在します。 優雅なシルバーも良いですけど、黒くなっただけで一気に精悍さが増して存在感を示してくれます。かくも表情豊かなのは、 やはり元々のデザインのポテンシャル(或いは完成度)が高いが故ではないでしょうか。
記事後編では、このブラックボディ仕様に一肌脱いでもらいました(笑



SRT101の軍艦部カバーを外した様子です。

本機の素晴らしい点の一つとして「整備性の良さ」が挙げられます。1960年代の一眼レフ機ゆえ、どうしても接眼部やプリズムに カビが発生したり汚れが付いたり、モルトが劣化したりで清掃が必要になる事は多々ありますが、SRT101のプリズムは上部の 押え板を外してリード線を押さえ金具から外すだけで簡単に分離・清掃が可能です。接眼部もネジ2本で外れます。

又、低速域でのシャッター速度が狂っても、スローガバナは何とネジ2本で簡単に分離し清掃できるのです!
但し、取り付け時はシャッター速度ダイヤル軸に接するガバナ側の突起(突出しているのでわかる)と同ダイヤル軸カムとの噛合う場所に注意して下さい。 もし、その部分の噛合いがすれ違っていた場合は「1/4秒以上のスローが早く切れる」ので組み付けミスだと判断可能です。
それと再三になりますが・・・軍艦部を扱う際は各部に巡らされた連動糸を切らないよう注意しましょう。




そんなSRT101にも構造的な弱点があります。
前期型に顕著な弱点ではありますが、ボディ底部にあるプラ製のミラー連動ギア(画像〇内)が比較的破損し易く、ここが破損するとミラーアップ機構が 正常に動作しなくなってしまいます。幸いにして後期型で材質等が改善されているのが救いで、しかも後期型のギアは前期型に移植可能なので致命的な (修理不能に陥るような)故障には繋がりません。

但し、無駄にSRT101をドナーとして破壊するのはやめましょう。




更に、SRシリーズ全般のみならず多くの60年代一眼レフ共通の問題点があります。
それは「衝撃緩衝材・遮光材として多用されているモルトの劣化」です。

特にSR系の場合はミラーアップの衝撃吸収ダンパー下面(画像〇内)に緩衝材としてモルトが貼られており、ここが劣化すると・・・シャッターを切る度に ミラーが勢い良く金属製ダンパーに激突して、「バシャン!!!」という大きなシャッター音を発生させてしまいます。

しかしながら、画像のようにモルトを張り替えてしまえば、シャッター音はかなり抑制されて快適な撮影を楽しめます。




それでは、実際にSRT101で撮影してみましょう(^^)
基本的な操作は簡単です・・・まず、ボディ底部の電源スイッチを〔ON〕の位置にして露出計を起動させます。いうまでもなくスイッチは完全手動なので(笑)、 スイッチを入れるのは撮影時のみとして電池の損耗を防ぎましょう。 そしてフィルム感度を設定し、ファインダーを覗きます。ここまで辿り着いたら後は楽・・・と書きたいのですが、実はここからが本番。

SRT101の測光結果反映方法は簡単で、単刀直入に書くと「シャッター速度・絞りを操作して露出計指針と露出指針とを合致させるだけ」なのですが、 使い慣れていない人にとっては困った事に・・・レンズの種類によっては若干手順が変わってくるのです。
それでは早速、レンズの種類毎に書き並べてみます。




1: MCロッコールレンズ〔絞り連動爪あり/開放測光〕

絞りリングに連動爪が付いているタイプのレンズが該当します。
連動爪によってボディ側に絞り情報が伝えられるので、余分な操作を行う事なくファインダーで露出を合わせて撮ればOKです。

要するに普通の開放測光です(^^)一般的にオススメできるタイプのレンズですね。




2: 旧ロッコールレンズ〔絞り連動爪なし/絞込み測光〕

SRT101発売以前の旧規格レンズ(絞り連動爪なし)の大半が該当します。
絞込み測光を行わないと正確な露出が確認できないので、シャッターチャージ後にレンズマウント基部右側のプレビューボタンを深く押し込んで絞りを閉じ(開放状態から設定通りの絞り値に戻るので画面は暗くなる)、 その状態で露出を合わせてシャッターを切る事となります。若干面倒ですが当時の絞込み測光一眼レフ機(ペンタックスSP含む)は殆どこんなもんです

一部のレンズにはプレビュー(絞込み)レバーが付いているものもありますので(画像のロッコールにも付属)、
もし付属しているのであれば、そちらのレバーで絞り込んで測光しても結果は変わりません。




3: プリセット絞りレンズ〔絞り連動爪なし/絞込み測光〕

一部の旧規格レンズで採用されている形式で、自動絞り機構そのものを持っていません。
従って、レンズの絞りを幾ら回そうと指針の動きには反映されませんし、プレビューボタンを押し込んでも絞りは動きません。

このタイプのレンズの場合は、レンズの絞り操作ダイヤルが2つあるのでレンズ側にて手動で絞り設定/開閉を行う事となります。 その方法は・・・基本的に任意の絞り値を設定して測光するだけです。しかし、そのままだと暗くてピントを合わせ辛いので、レンズ側の「軽く動かせる方の」絞り操作ダイヤルを開放方向に回して 絞りを開放しピントを合わせ、撮影の際には同ダイヤルを絞る方向に回すと任意の絞り値でダイヤルが止まって撮影できるようになっています。

多少面倒なのでマニアックな操作にはなりますが、最も確実で信頼性の高い方式でもあります。





MINOLTA SRT101 / AUTO-ROKKOR PF f1.4 58mm / KODAK業務用400

これは旧規格ロッコールf1.4で撮ってみた結果です。
後の「アキュートマット・ピントスクリーン」搭載機種に比べると暗いファインダーですが、それでも暗所でピントを合わせる際も充分に使えるだけの 見えの良さは確保されています。各部の操作も極めて軽くスムーズなので、撮影時に無駄な力を要する事もありません。

写りについては画像、或いは皆様が実際に撮影なされてご判断下さい(^^)
私個人としては大変お気に入りです。





(左) SR505
(右) SRT101

最後に、同シリーズにおける「後輩」SR505と並べてみました。
SR505はSRTスーパーのマイナーチェンジ機種で、SRT101との最大の相違は「ファインダー内に絞り値が表示される」「ホットシュー追加」の2点です。 SRTスーパーもそうですが、絞り値確認窓の設置で若干「でこっぱち」になり、後のXD等へ繋がるデザインモチーフが密かに散りばめられています。

60年代前半ミノルタの優雅さを色濃く残るSRT101との対比、微妙なものですが時代の違いを感じさせられますね。




(上) SRT101
(下) SR505

上面から眺めると、その微妙なデザインテイストの違いが判り易く現れています。

微妙な曲線が心地好いSRT101、直線主体のラインに変わりつつあるSR505。
時は70年代!レトロからモダンへの脱皮が猛スピードで行われていた時代でした。




2007年秋、すきもの屋にやってきた3台目のクラシック一眼レフ機・・・それがSRT101でした。
(ちなみに1台目はヤシカTLエレクトロXの不調品、2台目はnewSR−7)

今では、私が最も信用し、かつ頼りにしている「最強の相棒」でもあります。
本気で作品を撮りたい時、本気で彼女や家族・友人を撮りたい時、私は必ずSRT101を手にしますし、恐らくこれからもそうでしょう。 銀塩フィルムが滅びるその日まで、私とSRT101との楽しい撮影の日々に終わりはありません。


そして、私のSRT101は全てジャンク出身ですが、復活後は皆健気に頑張ってくれています。
故に私は、どんなに高価で優秀な一眼レフよりも、1500円(f1.7レンズ付)で買った最初のSRT101(銀色の個体)を信じます。
下手糞レストアで復活して、その後も調整や改良を重ねている個体ではありますが・・・相応以上の結果を出してくれていますし!
そう、まるでSRT101自体に「まだまだ死なない!」「もっと良い絵を撮る!」という意思があるかのように。


最後の最後に、学生時代につるんでいたモノ書きの旧友と共有した、私なりの思いというか信念(?)を。


キカイは生きている。     by K.K.

First upload: 2010/09/28